昨日は毎年恒例となっております。
重要無形文化財総合指定の認定を
受けていらっしゃる
辰巳満次郎さんの能の舞を
「満次郎の会」にて鑑賞させていただきました。
今回はご子息との親子共演です。
興味のない方もいるかもしれませんが。
この能の世界は現代人には
とても大切なことを教えてくれているんですよ！
下の写真は能楽堂です。
とても簡素に作られていますね！
能は無駄なものを引き算をし、
極限までシンプルに、そして、
観るものの想像に任せるのです。
ある人は神仏に、
ある人は宇宙に、
ある人は眠気に（笑）
繋がることができるのです。
それは観るものの頭の中の世界。
本来、人は自由にものを
見聞き、想像することができます。
しかしながら、
周りの影響、
自ら何かに囚われている方が多くいます。
まるで
自分の頭の中でさえ、
何者かに支配されたかのように。
それは
ものに溢れ、情報に溢れ、
想像という作業をしなくても
日々過ごすことができるからなのかもしれません。
または
その情報に合わせないと
何か恐れることが起きるからなのかもしれません。
何もなければ
自由に頭のキャンバスに
いろんな事を描くことができます。
昔、取引先のデザイナーさんとお話をした時、
事務所は全て「白」で統一してます
とおっしゃっていました。
「その方が想像力が湧くから」と。
子供は自由にいろんな事を想像しますよね。
しかし、
いつの間にか社会の常識、
誰かの刷り込み、その環境での生きやすさ・・・・
いろんな枠ができてどんどんと
その想像できる領域が減っていきます。
例えば、
引越しをした。
何もない部屋に何を置こうか・・・・
といろんな想像を
巡らせワクワクするかもしれません。
そこに徐々に家具が増えて、
するとそれに合うように
新たなか家具を揃えていく。
いつもの間には
本当はもう必要のない、飽きた、
誰かの趣味の家具がそこに鎮座して、
不快に感じているのに、
それでも
これを捨てると変えると、
誰かが何かを言う、
あれがあるからこれは置けない・・・
本当に欲しいものが
他の家具やもの、家族・・・・
いろんなものによって
選択できなくなって、
するとそのうち選ぶことさえしなくなって。
そうして自分自身さえが
表現しなくなり、失われていく。
だからこそ、
シンプルに極限まで装飾を減らし、
観るものの想像力に任せる『能』
というのは
日本人、いや現在人が
忘れてしまった何かを
思い出せせてくれるものではないかと
私は思います。
満次郎先生は
能は『引き算の文化』とおっしゃいます。
まさに現代人が忘れてきたものを
改めて教えてくれる。
人それぞれ、
自分の頭の中は自由なのです。
何を考えてもいいのです。
頭の中まで誰かに囚われるのではなく
せめて頭の中は自由に解放してみませんか（＾＾）
余談ですが、
これはだいぶ緩い写真ですが、
右のメガネの方は後ろのお花を生けた
奇才の華道家の熊野 寿哉先生です。
この緩い感じがとても好きで、
昨年は写真を一緒に撮ろうとしたら
近くあった自分の名前のプレートを
これ邪魔って投げちゃって（笑）
大切なのはそこではないんですよね！
そして、
左はもはや国籍不詳、
なぜか関西弁とお笑いのセンス、
頭の回転抜群のパッ君。
ボーダーレス＆ダークサイドのこの二人と
ふざけた写真でした。
終わり。
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